会長就任の挨拶
会長 國井秀伸
第六期、第七期に続き、自薦により第八期の中海自然再生協議会の会長に選出された國井です。前回の就任挨拶にならい、自薦書に記した活動歴と今後の抱負に加筆し、自己紹介並びに会長就任の挨拶と致します。
中海自然再生協議会におけるこれまでの活動歴:2007(平成19)年6月の第一期第1回中海自然再生協議会から専門委員として協議会に参加し、全体構想検討専門部会長として中海自然再生全体構想の策定に大きく関わった。2008年11月に全体構想がまとめられた後、自然再生推進法に則った中海自然再生事業実施計画を策定するにあたり、第二期の協議会では協議会の専門家会議の議長として提案された実施計画の素案を絞り込む作業を担当し、第三期の協議会においては第一期の事業実施計画をまとめる役割を果たした。再生事業が本格的に開始された2012年4月からは協議会の事務局長としてアドバイザー委員会を主導し、協議会開催時の講演会の講師依頼を行なうなど、協議会の運営に寄与した。2017年からの第六期の協議会で自薦により会長に立候補し承認・選出され、第七期も自薦により会長を継続した。なお、第六期の協議会会長時には「中海の自然再生10年史」をまとめている。
今後の抱負:本年(2021(令和3)年)が第二期事業実施計画の最終年度であることから、第八期の協議会ではこれまで進められてきた3つの事業実施計画の総括を行うとともに、第七期の協議会で協議を重ねてきた全体構想の見直しと第三期事業実施計画の最終案の取りまとめを行う。なお、7月に開催された第八期第1回の協議会で、コロナ禍の影響により2020年度と2021年度の事業実施に支障をきたしたことから、第二期事業実施計画の実施期間の1年延長が承認され、最終年度を来年度(2022年度)とすることとなった。コロナ禍が収束することを願い、事業実施者にはこれまでの事業の遅れを補うよう努力されることを望み、また時間的な猶予ができたことから、全体構想の策定については、自然再生推進法の基本方針の見直しに沿い、「持続可能な開発目標」(SDGs)や「地域循環共生圏」構築に向けた取り組みを織り込みたいと考えている。
中海自然再生協議会を構成する委員の数、そして事業実施計画の数が漸減し、中海の自然再生活動に広がりが見られないことを危惧している。私は長年にわたり事業実施の中心であり協議会の事務局を務める認定NPO法人自然再生センターの協議会担当理事として協議会との連携を図る立場にあることから、今後ともセンターとの互恵的な関係を構築し、中海の自然再生活動を活発化させたい。
中海自然再生全体構想
1.自然再生の対象となる地域
本事業の対象区域は、境水道を含む中海本体(86.8km²)と大橋川を除く中海に直接流入する河川の全集水域(395km²)
2.自然再生の目標
昭和20年代後半から30年代前半の「豊かで遊べるきれいな中海」であり、豊かな汽水湖の環境と生態系、そして心に潤いをもたらすきれいな自然を取り戻し、かつての中海の自然環境や資源循環の再構築を目指す。
そのため、「よみがえれ、豊かで遊べるきれいな中海」を合言葉に、以下の5つの推進の柱(大きな目標)を設定し、事業を推進する。
中海自然再生全体目標
「よみがえれ、豊かで遊べるきれいな中海」を合言葉に、豊かな汽水湖の環境と生態系、そして心に潤いをもたらすきれいな自然を取り戻し、かつての中海の自然環境や資源循環を再構築する。
5つの推進の柱(大きな目標)
- 1) 水辺の保全・再生と汽水域生態系の保全
- 2) 水質と底質の改善による環境再生
- 3) 水鳥との共存とワイズユース
- 4) 将来を担う子ども達と進める環境学習の推進
- 5) 循環型社会の構築
資料
中海自然再生全体構想(作成)
中海自然再生全体構想[英語版](作成)